FP事務所【あせっとびるだーず】代表 タナカ


独立系のFP会社あせっとびるだーずで資産運用の講座と相談を行っています。

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㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け、今では投資に魅了され、会社を設立して

記事一覧(590)

逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略(田中 泰輔)

いまや、『長期、分散、積立』は常識ではない⁉この本は、今投資や資産運用で常識となりつつある、長期投資の考え方に一石を投じるような話となっています。今の投資や資産運用の常識といえば、『長期、分散、積立』です。そこには、『買う』という考え方しかなく、『売る』という視点がまったくもってありません。しかし、この『売る』という考え方は、投資や資産運用にとって、とても重要なことなのです。なぜなら『売る』ことによって、利益を確定したり、損失を限定したりといったことができるようになるからです。ただ、この『売る』というのは、『買う』よりも、遥かに難しいことであるため、簡単にアドバイスできるようなものでもなかったりもします。そのため、多くの投資アドバイザーが、『売る』という考え方を排除して、買い方だけに着目し、『長期、分散、積立』を強調するようになってしまったのかもしれません。実は、長期投資で有名なウォーレン・バフェットでさえ、適度に売却を繰り返しています。そもそも、『売る』ことなくして、長期投資というのは成立しないのではないのかと、個人的には考えています。そんな『売る』ということを強調しているこの本は、今まで長期、分散、積立を資産運用の常識だと考えていた人に、新たな気づきを与えてくれるかもしれません。経済や市場には、サイクルが存在する。経済や市場のサイクルを理解するのに役立つおすすめの本といえば、ハワード・マークスの『市場サイクルを極める』があります。

『株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール 新版 波乱相場を勝ち抜く(太田 忠)』

タイトルがよかったけれど。現状の株価に不安を感じるようになると、「上がっても下がってもしっかり稼ぐ」という言葉は、とても気になるタイトルになってきます。何よりも、「下がっても」という言葉に興味を持ち読んでは見たものの、結果的には、ちょっと残念という印象を持ってしまいました。本書を読んでみて、この手の本によくあるパターンに陥っているのでは?という感じを受けました。そのパターンというのは、理屈や理論を様々に展開し、それっぽい説明をしてはいるものの、どこか具体性にかけるというパターンです。おそらく、この本を読んだことで、株価が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルールを、見つけられることはないかもしれない。「バイ・アンド・ホールドの時代は終わった。」「逆指値注文をつかえ。」「フルインベストメントはするな」「下落相場での対処法が大切だ。」など、下手な金融理論を持ち出して、頭でっかちな説明をするのではなく、実践的な株式投資の大切なことを、この本では言っています。そして、この実践的な株式投資の大切なことこそが、株式市場に向き合う者にとって、一番重要であることは、株式市場と15年超向き合ってきて感じていることでもあります。そのため、その先を期待してしまった。ですが、本書では、そこがいまいち足りなかった。というのが、この本を読んだ感想でした。ポートフォリオの考え方は、参考になるかも?本書で紹介されている手法には、「信用取引やデリバティブを使って、下落相場に対応する」や「損切りルールを徹底する」などがありました。しかし、その手法にいまいち具体性がかけていたように感じました。実際に、本人はその方法をやっているのだろうか?読みながら、自分で本書の取引手法を使って運用しているイメージがわかない感覚があり、もしかすると、著者は、「何となくそうなのではないかと思っていることを、ただ説明しているだけなのでは?」とも思いました。なので、本書を読んで「信用取引で売り取引をやってみよう!」などと考えることは、かなり危険だと感じます。実際に実践できる内容としては、ポートフォリオの考え方ではないでしょうか?利確や損切り、信用取引などでの「売り」ができることが、下落相場への対処法として、最強であることに間違いないことでしょう、しかし、これがそう簡単にできることではないものです。その点、ポートフォリオ運用戦略は、「売り」ほどの効果は期待できないものの、比較的実行可能な、相場の上下動への対処法だと思っています。特に本書の内容で、共感を得たのが、「なにも複数の資産に分散投資をする必要はない」という話です。ポートフォリオで、いろんなものへ分散投資をする運用方法が、世間では広まっていますが、「リスクを管理」できれば、複数の資産に分散する必要はなく、投資初心者であっても、株式と現金のポートフォリオで始めればいいという話でした。これには、まったくもってそのとおりだと共感します。インデックスファンドの生みの親ともいわれる、ジョン・ボーグルも似たようなことを言っていました。

トレンドフォローは人生にも当てはまる?『ルール トレードや人生や恋愛を成功に導くカギは「トレンドフォロー」(ラリー・ハイト)』

投資と投機は区別がつかない?「投資は良くて、投機は悪い」という説明をよく見かけることがあります。しかし最近は、この「投資」と「投機」の違いがよく分からなくなってきました。おそらく、一般的には「投機」という分類になりそうな、『トレンドフォロー』という投資戦略。でも、この『トレンドフォロー』という投資戦略の考え方を学べば学ぶほど、その考え方の重要性を感じないではいられません。そもそも投資というものは、運や偶然、確率といった要素が強い行為です。そして、この運や偶然、確率の要素に左右されることは、当たり前ですが、投機でも同じです。というよりも、投機を理解している人の方が、より運や偶然、確率といったものを理解しているのかもしれません。そもそも、参加している市場(たとえば株式市場)が、効率的であるのであれば、企業のファンダメンタルなどの情報をもとに投資をすることには、何の意味もなくなります。しかし、一般的に『投資』と呼ばれているものの多くは、企業の本質的価値や経済環境などといった言葉をつかい、結局のところ情報をもとに投資を考えているケースが多いように思います。それなのに、効率的市場仮説を重んじている傾向もみられる。この矛盾、はっきり言ってよくわかりません。その点では、市場を数字で考えて、確率や統計を用いて投資を考えている『トレンドフォロー』のような投資の考え方の方が、しっくりくることがあるものです。「何をトレードしているかは、トレードをしている理由や方法ほど重要ではない」投資は、「何を」よりも、「どうするのか」の方が重要です。それなのに、多くの人が「何を」を気にしすぎる傾向があると思っています。本書の著者ラリー・ハイトは、ヘッジファンドとして大成功した投資家の一人です。投資手法は、本書の中で「非対称レバレッジ」と呼んでいる、「損する額は小さいが、儲けは大きい可能性」に賭けるという考え方からきています。効率的と言われている市場の中から、「エッジ(優位性)」を数学的に探し出すことで、収益を上げるという手法です。そして、その具体的な方法論として取り上げられているのが、本書の主な内容である『トレンドフォロー』という考え方です。中には、この『トレンドフォロー』という言葉を聞いただけで、「投機だ」と切り捨ててしまう人もいるかもしれません。しかし、個人的には、そんな食わず嫌いをせずに、ぜひ読んでみるといい本なのではないかと感じました。それに、『トレンドフォロー』という考え方は、人生にも応用できるという話が面白かった。本書の著者であり投資家でもある、ラリーハイトは、人生そのものもトレンドフォローの考え方で生きてきた。損は切って、利益は大きく伸ばせ。この本では、難しい理論や数式というのはほとんどありません。ラリーハイトの人生を振り返りながら、『トレンドフォロー』という考え方が学べるとても面白い本でした。それに、なによりも読みやすかった点にとても親しみを持て、読み終わった時には、「これはおすすめの一冊だな」と思いました。

投資の神様の経営術⁉ 『バフェット帝国の掟(ローレンス・A・カニンガム)』

投資の神様ウォーレン・バフェットの経営者としての姿?投資の神様として有名なウォーレン・バフェット。最近では、投資家としてだけではなく、その経営手法も注目されています。バフェット流の経営方針を真似している会社としては、グーグルの親会社アルファベットや、ソフトバンクの孫正義が有名です。本書の特徴は、そのバフェットを投資家としてではなく、経営者としての視点から書いている本になっています。本書の著者ローレンス・A・カニンガムは、おなじバフェットの著書、『バフェットからの手紙』でも有名な人ですが、こちらの『バフェットからの手紙』は、バフェットを経営者よりも投資家として書かれている本になります。投資で大きくなったとはいえ、アメリカで時価総額トップ10に入るような巨大企業を率いているバフェットは、投資家としてだけでなく、経営者としてもやはり優秀だったようです。バフェットの経営手法は、『信頼域』という言葉で表される?バフェットの投資手法として有名な言葉に、『安全域』というものがあります。これは、バリュー投資というスタイルにとって、とての重要な単語であり、バフェットの投資手法を代表する言葉でもあります。この『安全域』をもじって、著者は『信頼域』という言葉を使っています。この信頼域とは、言ってみれば信頼できるものに、すべておまかせするというスタイルです。バフェット流の経営は、昔から、買収した企業の経営に口を挟まない。そもそも、投資をするときに経営者の質も重要項目として検討しているということがあります。純粋な起業家として、1から会社を率いてきたのではなく、投資家として経営の世界に入っていった人ならではの経営スタイルなのかもしれないとも感じます。しかし、この経営スタイルが、最近ではとても注目されているように感じています。私の知っている話で言えば、コメダ珈琲。コメダ珈琲では、FC(フランチャイズ)で大きくなった企業ではありながらも、個々の店舗が、本店の言いなりではなく、その店のオーナーの考えを尊重するスタイルを採用していると言われています。そのため、店舗ごとにサービスなどが違っていたりするようです。団体よりも個を重視するような、このような経営スタイルは、今とても重要になってきているのかもしれないと感じています。コロナが流行するようになってから、テレワークが流行り、社員というよりも個人事業者のような働き方が増えてきていると聞きます。その結果、個々の働き方が、より注目される時代となってきているのかもしれません。個人が会社の一部なのではなく、個と個がつながり会社ができている。そんな感じなのかもしれません。個人と企業という違いはあるものの、バフェットの行っている経営スタイルは、まさにそれと似ています。企業の風土や個性、方針を大切にし、不必要にそこに介入しない。その結果、大きなデパートと言うよりも、商店街のような企業組織になっているので、巨大組織にみられがちな官僚組織的病気にかかることがない。バフェットの考え方は、90歳を超えるような年齢になっても、まだまだ時代の先を行っているのかもしれない。そんなバフェットに、またしても感服させられた本でした。

「加入は損?」全然割に合ってない? 生命保険のコストは3割。

保険の加入は最後の手段。できるだけ保険に加入しないことが、蓄財のコツ?なぜなら、生命保険に加入するためのコストは、支払う保険料の3割といわれています。無駄なコストを減らすことは、節約の基本です。生命保険のコストは3割?生命保険のコストは高い。預金や株式、投資信託とたくさんある金融商品の中でも、ダントツのコスト負担割合です。生命保険会社のビル、事務費、従業員、そして営業員の報酬。保険営業の報酬でいえば、年間1人あたり数千万円という数字になることがあるのも、よく聞く話です。このように、保険会社は生命保険事業を行うのに、多額のお金をかけています。そして、そのお金の出所は、保険会社からではなく、保険加入者が支払う保険料から出ていることを忘れてはいけません。さらに言えば、生命保険会社の事業運営費に、保険加入者が支払う保険料の内、約3割が使われていると言われています。投資信託の悪いところとして、運用に係るコスト(信託報酬手数料)が問題としてよく取り上げられますが、この話を聞くと、そんなものかわいいものに思えてきます。コストが高い商品は、資産形成に向かない?当たり前の話ですが、コストの高い金融商品は、資産形成に向いていません。リターンが変わらないのに、信託報酬手数料が2%の商品と、0.5%の商品、どっちの方が増える額が大きいかと考えれば、誰にでもわかる話です。そして、生命保険の運用コストは、とても高い。例えば、50~55歳の死亡率は、だいたい0.33%。(330人/10万人)もしこの世代に死亡保険金1,000万円をしはらうとしたら、一人当たり月約3,000円づつ集めれば、十分に保険金が賄えることになります。しかし、実際に負担している死亡保険の保険料は、そんなものではないと思いませんか?その余計なコストが、生命保険に加入するコストというわけです。コストが高いという事は、生命保険商品は、資産形成に向いていないということになります。それなのに、「貯蓄になるから」「掛け捨てではないので無駄ではない」といった言葉を信用し、不必要なコストを払って、養老保険や終身保険、そして学資保険という貯蓄型の保険に加入してしまっている。学資保険なんて、正直名前だけの都合のいい商品です。日本の金融機関は、こういった商品を発明するのがとても上手です。つまり、資産形成目的で、なんとなく入ってしまっている生命保険は結構あるもので、本来であれば、そのような貯蓄型の保険は必要ないのかも、と考えることも必要だと思っています。

保険は見直そう!『いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」(後田 亨 (著),永田 宏)』

お金のことについて勉強すると、必ずと言っていいほど聞くようになるのが、『生命保険はいらない』という話です。この本の内容は、まさにその話です。商品販売をしない保険の相談を行っている著者と、医療関係の研究をしていて、医療保険の確率などについて本を書いている大学教授による共著です。生命保険は必要なのか?そもそも生命保険は必要なのか?実は、本書でも説明しているように、今保険に加入している多くの場合において、「本当は必要ない」というのが、この本の著者の意見であり、また私個人の意見でもあります。そもそも保険の目的とは、自分の力だけではどうしようもないリスクを回避するために、費用を負担して、そのリスクを保険会社に背負ってもらおうとする行為です。まるで投資商品のオプションとそっくりです。オプションというのは基本的に、急激な相場の変動によって、資産を既存するリスクを減らすために、第三者に保険料的な費用を負担することで、相場の変動に備えようとする投資です。そして、オプションを売っている第三者は、リスクを肩代わりする代わりに、リターンを受け取っているという構図になっている。つまりは、保険商品を購入することで、金銭的なリターンが望めるものではないのは、その仕組からして当然なわけです。しかし、そんなイメージが先行してしまっては、保険会社は、保険を売ることができなくなってしまうので、様々な営業努力によって、そのイメージを隠し、お得に見せかけて販売している。その結果、お金のことについて知識のない者の多くは、みんな必要以上の保険に加入する事になってしまっている。ここで考えなければいけないことは、生命保険は、あくまでも金融商品だという認識です。金融商品だという意識で販売されていない金融商品本書の中でも、ちらりと触れていますが、生命保険という商品は、金融商品であるはずなのに、金融商品であることをあまり表に出さず販売されている。金融商品というのは、預金でも株式でも債権でも、そして投資信託であっても、なんでもリスクとリターンの確率や根拠を考えながら、投資するに値するかどうかを判断して購入しているものです。つまり、儲かるかどうかの期待値という数字の判断基準があってこその商品です。しかし、生命保険の場合には、その数字も根拠もあいまいで、実際には数字を無視し「感情」で販売され、そして買ってしまっているケースがほとんどです。本書の例を用いれば、医療保険という商品には、どの程度のリスクとリターンが計算できるのか?を参考に考えると。医療保険に支払うコストと、病気になり入院したりするリスクや確率とその結果得られるリターンである保険金を計算すれば、圧倒的に損をする可能性のほうが高い。(詳しくは本書を読んでみてください。)リスクとリターンを計算する、金融商品的考え方で購入するのであれば、はっきりいって投資価値は一切なし。しかし、多くの人がこの金融商品に投資をしている。その最大の理由は、「不安」です。本書でもそのことに触れていました。「不安」があると、人は非合理的な判断を下しやすい。(数字を無視する)プロスペクト理論という有名な行動経済学の理論でも、損失という不安への感情は、利益を得ることよりも強く反応しやすいとされています。保険会社は、人のこの性質を利用して、保険を金融商品として売るのをやめ、「不安」を売ることで保険を販売し、成功している。「この商品に入ると、何%の確率で損をします。ただし、いざというときには何千万円という保険金が出ます、もしものときにはとても役立つので損失覚悟で支払うことをおすすめします。」という説明ではなく。「保険に加入していないと、いざというとき奥さんや子供が路頭に迷うことにもなりかねない。そんな思いさせたくないですよね。」といって、数字そっちのけで感情を煽ってこられた経験はありませんか?CMやパンフレット、保険の営業のすべてが、こういう傾向があるように感じます。だから、感情ではなく数字から保険という商品を見ている人は、あまり保険に加入していない。本書の中で度々登場してくるのですが、保険係数などを計算して保険という商品を作る仕事している人は、自分では保険に加入していないという結果になっているそうです。プロは保険に加入しないとは、こういうことなのでしょう。お金に詳しくなってくると、まず保険から見直すことになるのは、ある意味当然の成り行きなのかもしれません。

実は、長期投資は危険な投資法だった?

資産運用をするなら、『長期、分散投資が基本』と言われています。しかし、何も知らない長期投資は、ただ危険なだけなのかもしれません。長期投資は危険な投資法?「長期投資ならば安全」と言われていることが多いです。長期投資をすれば、『複利で運用できる』、『長期で見れば、株価が変動する波はそれほど怖くない』、『長期で投資することで、世界経済が成長する恩恵を受けられるため、成功しやすい』なんていわれていたりします。確かに、様々な研究結果においても、長期投資でリスクが少なくなるという結論がでています。でも、実践の中で考えると、研究のデータようにはいかないことも多々あるものです。私たちには感情があり、損した得したと一喜一憂する癖があり、そのせいでデータのようにはいかなくなるときがある。また、沢山のデータをまとめた統計から見れば、いい結果なのかもしれないけれど。その中の一部には悪い結果の人も当然いる。そして、その悪い結果にあたってしまった人にとっては、その悪い結果が全てだという視点が抜けている。そして、その悪い結果の人には決してならないとは言い切れない。長期投資は、安全なようで、実は慎重に取り組むべき投資の仕方であると感じています。30年間かけて積立投資して、仮に投資元本が倍になったとしても、金融危機などの経済的なショックで資産が半分以下になってしまう(元本毀損になる)ことだって十分にあり得る話です。もしその時に、リタイヤ期を迎え、積立ではなく取り崩しの時期に差し掛かっていたらどうするのでしょうか?このように、ある意味一回の失敗が取り返しのつかないことになるリスクが、長期投資にはあるのです。特に勘違いしがちなのは、長期投資と長期保有を同じように考えている場合です。長期投資と長期保有は違うもの?複数の銘柄を長期間保有するのが、長期投資だと考えている人もいるようです。長く保有するメリットを、バフェットの話でよく出てくる、『永久保有』という言葉を使って説明している人も見かけます。確かに、『永久保有』できるような銘柄があれば、理想だとは思います。でも、そのような『永久保有銘柄』に出会えるかどうかは、また別の話です。バフェットであっても、本当に『永久保有』をしている銘柄は、案外少ない。それなりに、保有数を増減させたり、銘柄を入れ替えたりして運用しています。はっきいって、市場のリスクをコントロールするためには、それなりに売買を行う必要があると思っています。バブル崩壊のような大暴落を避けつつ、良いタイミングで仕込む。これを意識せずに、長期投資はないのではないでしょうか?つまり、長期投資と長期保有は、同じ意味ではないという事です。分散投資をしていると、その中には本来の投資目的に合わないものが、必ず出てくる。それは、確率的にいっても当然の話です。そんな時、長期保有が良いからと言って、そういう銘柄を持ち続けるのか?運用の上手い投資家たちは、きっと、そのような銘柄はほどよいところで見切りをつけて、他の銘柄に乗り換えていることでしょう。つまり、長期投資をしているからって、なんでもかんでも長期保有しているわけではないってことです。長期保有は、売るタイミングを知っているからできる?長期投資家は売らないと思われているかもしれません。しかし、実際には、それなりに売るべきタイミングを知っていたりするものです。「市場の大暴落巻き込まれないように」、「十分すぎる利が乗ったから」、「損切りしなければ、含み損が増える」。それなりに、売るべき時をわかっている。だから長期保有が出来る。今が売るべき時なのかどうかを考えて、保有をしていたら、長期保有になっていた。というほうが正しいのかもしれません。よく「長期投資をしましょう」という説明を聞きますが、ただ長期投資をしましょうというのと、売るべきタイミングを知っていての長期投資は、まったくの別物であると考えます。これがわからないと、本当に金融機関のカモにされかねません。投資というのは、リスクがある。そして、リスクがあるものに対しては、リスクへの対処法を知っていることが、何よりもリスクヘッジになる。さらに、投資のリスクへの対処法は、何と言っても市場から撤退する方法を知っていることです。つまり、『売り方』というわけです。『売り方』を知らずしてリスクは取るべきではないのかもしれない。今、長期投資を人に勧めている者の多くは、この『売り方』というところを無視しているように感じます。よく考えてみればそれも当然のことで、長期投資を勧める者の多くは、『投資商品を買ってもらうことで利益を得ている』わけだから、『売り方』というのは、そもそもあまり考えていないのでしょう。しかも、この『売り方』というのは、『買い方』よりもずっと難しい。もしかしたら、そもそも『売る』ということが、わかっていない可能性だってあります。長期投資をするのであっても、売ったり買ったりという、言ってみてば『短期売買』のノウハウだって決して無視できるものではないのではないでしょうか?

ETFは、良い投資先?『ETF投資の教科書(佐藤茂)』

「おすすめの投資先ってありますか?」と聞いたときによく出てくるのが、ETFです。でもその仕組みは意外と知られていないものです。ETFの仕組み?ETFは、投資信託が株式市場に上場していると説明するのが、もっともイメージしやすいかと思います。しかし、本当に投資信託が上場しているのかというとちょっと違う。投資信託は、投資家が投資信託を購入すると、その投資したお金は信託銀行に預けられ、投資信託の運用している人が、そのお金の運用指示をしています。対して、ETFの場合は、ETFを買った人が払ったお金は、投資信託のように信託銀行に行くのではなく、そのETFを売った人のところに行くことになります。つまり、取引の流れとしては、投資信託を買うというよりも、投資信託と同じ値動きをする株式を売買しているといった感じになっています。「じゃあ、そのETFが投資信託と同じ値動きをするのは何で?」と思うところですが、そこがETFの仕組みのポイントでもあります。実は、ETFを市場で売買する中で、原資産であるETFの資産価格と、ETFの取引価格が乖離することがあります。もし、売る人がいなくて、買う人しかいなかったら、実態価値を超えて高くなるなんてことが起こるのはちょっと考えればわかることです。ただ、ETFには、そのような乖離が発生した時に、調整する役目を持っている人が存在していて、その人たちによって、ETFの価格が、ETFが投資している資産価値から外れないようにしているというわけです。なかなか複雑な仕組みなのですが、結果的には、ETFは原資産価値と同等の価格になるようになっているので、仕組みの話は置いておいて、ざっくりと、投資信託を株式市場で売買しているようなものと説明しているわけですね。ETFに詳しくなれる?本書は、そんなETFの仕組みからわかりやすく説明してくれている本です。「ETFは良い投資先だという話をよく聞くけれど、一体何者なんだ」と一抹の不安を抱えている人もいるかもしれませんが、そんな人にこそ、ETFの理解を深めるのに良い本だと思いました。ETFは、コストが安く、時価で売買できるという投資信託にはないメリットがあります。しかも、最近では最低取引価格も小さくなってきて、投資信託の一番のメリットだった小口での投資も、ETFでできるようになってきました。ETFを知ることは、間違いなく運用にプラスに働くことになると思っています。投資のプロ中のプロ、ヘッジファンドの世界でもETFを活用しているケースを見かけます。運用資産世界最大級とも言われるヘッジファンドのブリッジウォーターも、運用資産の大部分をETFに投資をしていると言われていました。