ファイナンシャル・プランナー タナカ


独立系のFP会社あせっとびるだーずで資産運用の講座と相談を行っています。

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㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け、今では投資に魅了され、会社を設立して

記事一覧(698)

『キャリートレードの興隆 ――金融危機と株価暴落を引き起こす「犯人」が分かった! 』 ティム・リー 、ジェイミー・リー、ケビン・コールディロン (著)

難しいけれど、重要なことが書いてある?はっきり言って、「この本、難しいな」という印象が強かった。だけど、難しくてよく理解できていない感覚なのに、「この話、無視できないな」と思う重要な視点だという感じも同時に受けました。この本の内容は、今までの経済学の視点とは違うのかもしれないけれど、株式投資などをやっている現場目線で見れば、とても的を得ていると思いました。現在の経済学の理論には、そもそも無理がある。これは、最近しみじみと感じていることです。経済学で示される話には、どこか腑に落ちないところがある。その原因が、経済学の考え方の根本に、「経済は”合理的”に動いている」ということがあるようです。経済を合理的に、数式で示そうというアプローチが最近の主流なのだそうですが、現実の経済はそうではないらしい。経済の動きは、人間と同じように非合理的で、非効率的で、予測不能なところが多々見受けられる。最近よく耳にするようになった行動経済学という分野で、経済のその非合理的な部分などが見えるようになってきた。今までの経済学に当てはめて、「○○だから、こうなる」的な説明はほとんど無意味で、実際に世界中を震え上がらせたリーマンショックの経済危機の時、イギリスのエリザベス女王が、経済学の権威たちに対して、「どうして誰も危機が来るのをわからなかったの?」と聞いた、というエピソードもありました。経済学を良く学んでいても、現実の経済の危機などを予測することは出来ない。ということがよくわかるエピソードの一つです。はっきり言うならば、未来予測に経済学は役に立たないという事です。それなのに、いまだに経済学の理論をどこからか持ち出してきて、「これから世界はこうなる」とか、「この政策によって、経済にこういう影響が出る」といった意見を目にしない日はありません。しかし、そのような中でも、「本書の提言は的を得ている」と感じずにはいられませんでした。現に本書が書かれた後に起こっている今の世界が、まさにその内容を具現化しているよに感じられなくもないからです。金融緩和では、インフレにならない?本書の見立てが正しいとしたら、今日本で行われている『金融緩和』は、まったくの無意味という事のようです。従来の経済学の話では、金融緩和によってお金を大量に市中に流せば、お金の価値が下がり、物価が上昇し、インフレになって経済は活性化するという事になるはずなのですが。実際には、長く金融緩和を続けても、日本では一向にインフレにならなかった。インフレはともかく経済が活性化する兆しも見えなかった。最初、アベノミクスの指南役ともいえる、金融緩和推進派の浜田宏一さんの話を聞いたときには、「なるほどな」と思ったものですが、その後その通りに、安倍首相と黒田日銀総裁によって行われた大規模な金融緩和は、結果的にそれほどの効果にはいたらなかった。(目標のインフレ率は達成できなかった。)正直不思議に思いました。著名な経済学者が提言した内容を実際に行っているのに、なぜ理屈通りの結果にならないのだろうと。でも、その疑問は本書を読んだことで、なんかすっきりとしました。結局金融緩和で、中央銀行がお金を増発したとしても、インフレにはならない。むしろデフレに圧力がかかることになるというのが、本書の説明です。今の世界のお金の流れは、キャリートレードの影響が大きくなっている。つまりは、資金調達コストの安い低金利のとこから、高い利回りを求めて、高金利のところへお金が流れるという世界になっているというのです。そのキャリートレードの中心にいるのが、今のFRBや日銀などの中央銀行だと本書では提言しています。日銀が金融緩和で金利を下げることで、低金利の円でお金を借りて、高利回りの米ドルや他国へ投資されるというのが今の世界のお金の流れだというのです。思い当たる節は多々あります。ミセスワタナベと言われる膨大なFX取引。日本ではなく米国の株式市場に流れていくお金。どんなに金融緩和しても、結局そのお金は国内で投資されるのではなく、海外の投資で使われていることがあるというわけです。つまりは、金融緩和で低金利になっても円というお金は資産価格の上昇に使われているものがほとんどなので、株価は上がっても、景気が良くなった実感のない経済回復になってしまうというのも、実際に感じている現場の感覚そのままです。そして、そのキャリートレードで使われるお金というのは、出どころが借金でもある。そして、借金ということは、積極的にリスクを取って行動する足かせになることもある。本の内容とは違うかもしれませんが、金融緩和を進めながら、どんどん膨らんでいく日本の借金。そして、その金額を聞いて、将来の年金、仕事、増税に不安を感じている国民。不安を感じているから、積極的にはお金が使えない。つまりは、どんなに金融緩和を続けても、インフレにはならず、むしろ国民にとっては不安が増していくので、デフレへの圧力になる。日本という国を使った、巨大な社会実験は、本書の内容を証明したに過ぎないのかもしれない。そして、今後このキャリートレードの興隆によって、どんな危機が訪れるというのか?気になる人はぜひ本書を読んでみると良いのかもしれません。ただ、難しい本なので、最後まで読むのは結構キツイかもしれませんんが。

『ファクター投資入門 (ウィザードブックシリーズ) 』 アンドリュー・L・バーキン (著), ラリー・E・スウェドロー (著)

株式投資では、ファクターに注目しろ?何も株式投資に限った話ではなく、投資ではファクターに注目したほうがいい。あのウォーレン・バフェットの偉大な運用成績さえも、ファクター投資で説明できるらしい。ファクターという視点を取り入れることで、投資のパフォーマンスは簡単にあげられる。この本は、そのことに気づかせてくれた貴重な本でした。投資のファクターを見つけると、投資が途端に簡単なものにもなってきます。ファクターとは、なぜリターンが生まれるのかという要素のことです。その要素を見つけてしまえば、あとはその要素を追いかけるだけでリターンが約束されたようなものということにもなりえる。私自身以前から、バリューというファクターに注目して株式投資を行ってきたなかで、薄々思っていたことがありました。投資先を検討する時、「あの会社は、どんな経営をおこなっているのだろうか?」、「事業の将来性は?」、「商品の価値は?」、そんなことを考えながら株式投資をするのは、株式投資の醍醐味でもありますが、実際にその情報はどの程度必要なものなのだろうか?という疑問です。実は、バリューというファクターに合致していれば、それだけで十分なのかもしれない。その他の情報は投資のパフォーマンスにそれほど影響はないのかもしれないと思っていました。バリューということが、パフォーマンスを上げるファクターであるのなら、バリューの水準に合致していれば、あとのことは、実際のところそれほど関係ない。バリューの銘柄に、分散して投資をする。投資でパフォーマンスを上げるなら、それだけで十分だということです。はっきりいって、とてもつまらない答えになってしまうかもしれないけれど、おそらくそれだけでいいのだろうなと、以前からなんとなく思っていました。そしてそのファクターは、バリューだけではない。本書によれば、バリューの他に、サイズ、モメンタム、収益性、クオリティといったものがあるそうです。ファクターを知れば、株式投資が楽になることは間違いないと感じています。機械的に、ファクターを選択して投資をするだけで株式投資のパフォーマンスはあげられることでしょう。ファクターを組み合わせて、リスクを管理。同じ株式投資の中でも、各ファクター間で価格変動に違いがある。その値動きの違いを利用することで、よりリスクとリターンのバランスが良くなるらしい。つまりは、複数のファクターに同時に投資をするポートフォリオを作るということです。しかし、いろんなファクターに注目しながら、たくさんの銘柄を管理するというのは、一人の力でやるには、なかなか難しいものがあるものです。バリューの投資家は、バリュー一辺倒。モメンタムの投資家は、モメンタムに集中。その方が実行しやすいものです。しかし、今はいろんなファクターに注目した、『スマートベータ』というアプローチをとっている投資信託やETFが増えている。つまりは、バリュー投資家は、ポートフォリオにサイズやモメンタムのファクターを狙った投資信託やETFを組み合わせれば、複数のファクターを取り入れたポートフォリオを作ることができるというわけです。しかし、あるファクターに注目があつまり、たくさんの人がたくさんのお金で、そのファクターを買うようになってきたら、そのファクターのメリットはかき消されてしまうのではないか?という疑問を持つこともあるかと思います。そのことについては、どう考えているのでしょうか?実は、本書では、そのことにもちゃんと触れています。投資で勝つ方法というのがあったとしても、その方法が世間に出回れば、その投資法に優位性はなくなってくるというのは、『効率的市場仮説』でも説明されている話でもあります。しかし、現実としてはそうでもないようです。本書では、ファクターの効果は落ちるが、なくなることはないと説明しています。投資のファクターについて学ぶなら、本書はおすすめ一冊だと感じています。読みやすいし、難関な数式もほとんどないし、直感的にわかりやす説明が多い。そして、最終的な結論が、とてもシンプルである点も、とても好印象です。

『すごい貯蓄 最速で1000万円貯めてFIREも目指せる!』くらま (著)

貯蓄ができればお金に困らない。ファイナンシャルプランナーとしてお金の相談を受けている中で、思うことがあります。それは、『貯蓄ができれば、お金に困らない』ということです。年収が多いとか少ないとか、入ってくるお金の量で、お金の悩みが解決されると思っている人もいるようですが、実際は違う。「どれだけ貯められるか」。これがお金の悩みから解放される一番の要素なのではないかと感じている。貯金ができる人というのは、年収の多い少ないはあまり関係がないようです。年収が多くなくたって、驚くほどの貯金ができている人もいれば、年収が多くても全然たまっていない人も多い。貯金というのは、年収で決まるわけでなく、支出のコントロールですべてが決まる。つまりは、生活水準を抑えた生活ができる人が強い。最近よく耳にするミニマリスト(小さな暮らし)こそが、貯金への近道なのかもしれないと思っています。そして、貯金ができるとお金に困らない。というよりも、たくさんのお金がなくたって、今あるお金の中での生活に十分満足できる心を持っているから、そもそもお金のことで悩む理由がないのかもしれない。不必要に贅沢を求めない、「足るを知る者は富む」ということです。ある人が、老後のお金が不安だという。でも、老後の年金など、収入が減った際にも、それに合わせた小さな暮らしができる人なら、そんなに不安になることはないのかもしれない。自分の生活レベルをコントロールできる。支出のコントロールができる人は、お金に困らない。ということは、収入の多い少ないに関係なく、普段から貯金ができる人は、それほどお金に不安を感じなくてもいいのかもしれない。すごい貯蓄とは、小さな暮らしを極めること。ズバリ言ってしまえば、この本の著者のように暮らすことはできないかもしれない。そういう意味では、この本は、それほど参考にならないのかもしれない。結局のところ、貯蓄をするためのコツは、どの本にも書いてあるような内容がほとんどです。まずば固定費から見直すことや、先取り貯蓄をすることなど、特に別に目新しいものではなかったです。ただ、他の本にはない貯蓄のために一番大切なこととして印象に残ったのは、『小さな暮らしに徹する』ということでした。本書を読んで、貯蓄に対する意識が変わったのは、「貯蓄をするなら、どれだけ『小さな暮らし』をするのか」ということでした。そして、その『小さな暮らし』こそが、貯蓄の王道なんだということでした。固定費を削るのも、言ってみれば小さな暮らしの根幹となる部分です。住む地域の選び方で、家賃などの固定費は下げられる。小さな家に住むことで、モノが増えすぎない生活ができる。生活費を下げられれば、生命保険だってそんなに大きなものはいらない。むしろ生命保険そのものがいらないと思うことさえある。『小さな暮らし』を意識するだけで、支出が抑えられ、ひいては貯蓄額が増えることになる。「『小さな暮らし』ことが、貯蓄を成功させる決めてになっているんだ。」ということを本書を読んでつくづく感じました。

『3%シグナル投資法 ──だれでもできる「安値で買って高値で売る」バリューアベレージ法』 ジェイソン・ケリー (著)

バリュー平均法という投資手法について書かれた数少ない本の一つドルコスト平均法は知っているけれど、バリュー平均法は知らないという人、結構いるのではないでしょうか?ドルコスト平均法とは、よくNISAやiDeCoなどで目にする『積立投資』の基本戦略になっています。「毎月25日に、30,000円で投資信託を買う。」といったような、定期的に同じ金額で積み立てする方法をドルコスト平均法と言います。このドルコスト平均法は、相場が下げているときには、口数を多く購入することができるため、リスクに強く、下落局面からの回復期では損失を取り戻すのが早くなることが大きなメリットです。また、毎月買い付けるという単純なシステムなので、実行もしやすいという所も魅力的です。しかし、その反面、相場が高い時にも、相場が弱い時と同じ金額で買い続けることになるため、不必要に高値掴みしてしまうというデメリットもあります。相場で儲けるためには、『安く買って、高く売る』ということが必須になります。また、それこそが相場で儲けるための原理原則にもなっています。短期投資だろうと、長期投資だろうと、買った時よりも売るときが高くなっていなければ、決して儲かることはありません。そのため、高い時も安い時も同じ金額で買うということに、疑問を感じている人もいるようです。そんな中で知ったのが、『バリュー平均法』という投資戦略です。私は、この本と出合ったことで、この『バリュー平均法』という着眼点を得ることができました。実は、この『バリュー平均法』について解説している本は、あまり見かけることがありません。本書はそんなバリュー平均法を詳しく解説した、希少な本だと思っています。バリュー平均法ってなんだ?バリュー平均法とは、アメリカの学者、マイケル・エデルソンが提唱した投資戦略です。要は、相場に関係なく毎月一定額を買いつけるドルコスト平均法に対して、相場が高い時と相場が低い時とで、売買に強弱をつける投資戦略になります。実際には、相場が設定価格よりも高くなれば売却し、設定価格よりも低くなればより多く買うことをします。つまりは、高値で売って、安値で買う、を機械的に実行するというイメージになってきます。このバリュー平均法、いろんな相場でシミュレーションしてみた結果、ほとんどの場面でドルコスト平均法よりもすぐれていたという調査結果があるようです。当然そのことについても本書の中で解説しています。一方的に買い付けるドルコスト平均法に対して、売ることもあるという柔軟性の高い投資戦略のため、ドルコスト平均法よりもいいパフォーマンスになることが期待できる投資戦略ではありますが、その「柔軟性」というのが、実践するとなるとなかなか厄介になっています。そのため、バリュー平均法という投資法はあまり脚光を浴びることがなく、また実践する人も少ないようです。例えば、「売ると買うを判断する基準はどうやって設定したらいいのだろうか?」などは、バリュー平均法を実行するにあたり問題となることの最たる例です。そんな問題点に対して、具体的な例を提示していているのが、本書「3%シグナル投資法」です。利益追求型の成長資産と、リスクがほとんどない安全資産でポートフォリオを作り、そのうち成長資産の増加率が、四半期で3%を超えれば売り、3%を下回れば買い、というシステム。シンプルさという点で、バリュー平均法を実行しやすくしてきました。しかし、実際に実践してきたわけではないので何とも言えませんが、おそらくこの方法は、ここ十年ぐらいの間は不利だったのではないかと想像しています。というのも、バリュー平均法では値が上がると売ってしまうため、上昇が長く続く期間では、その上昇によるリターンを減らすことになります。つまり、ここ十年ぐらい長く続いた上昇相場では、買い一辺倒のドルコスト平均法に負けていた可能性が高いわけです。実際、この本が発売されたのは2016年で、本の中の検証期間は、2000年から2015年ぐらいの期間。その期間の時代背景といえばITバブルからリーマンショック、そしてその回復期という時期。今の長期上昇相場とは、違った相場環境だったことが想像できます。「大化け株とレバレッジで勝つケリー流株式投資法」でもそうでしたが、本書の著者ジェイソン・ケリーの詰めの甘いところですね。しかし、それでもその厳しい期間にドルコスト平均法よりもパフォーマンスを上げられたというのは、バリュー平均法にとっては大きいことなのかもしれない。昨今、株式相場にとってはあまり好ましくないニュースが続いています。相場環境もこれまでと違って、少し厳しい状況が続いています。もしかすると、このような時期では、ドルコスト平均法よりも、バリュー平均法的アプローチの方が正しいのかもしれません。バリュー平均法という投資手法に興味がわいた方には、本書はおすすめの一冊になるのではないかと思っています。

『新版 正しい家計管理』(林總)

どんぶり勘定は低収入より、恐ろしい。お金の不安や、貯蓄、その他すべての問題が、収入が高ければ問題じゃなくなると思っている人も少なくないかもしれませんが、実は収入の多い少ないとお金の問題は全くの別物。収入がいくらかよりも、お金の管理ができているかどうかの方が大切なのだということを最近強く感じています。まさに、本書の帯にある通り、「どんぶり勘定は低収入より、恐ろしい。」です。世帯の年収が世間から見てそれほど大きいわけでもないのに、貯金額がかるく1,000万円を超えているような家庭もあれば、年収がそれなりに高いのに、毎月住宅ローンやクレジットカードの支払いに追われているような生活をしている人もいる。この違いは何なのかといえば、間違いなく『家計管理』にあるのだと思う。お金について学ぶというと、「保険の入り方」や「投資信託や資産運用」、「老後の資金問題」などが人気ですが、お金について学ぶべき、最も大切なところは、『家計管理』にあるのではないだろうか?家計管理の仕方。家計管理というと、「保険の見直し」や「節約の仕方」などが話題の中心になることが多いけれど、もっとも大切なのは、「管理の仕方」です。おそらく、家計において「管理の仕方」といっても、どういう意味なのかイメージがわかない人もいるかもしれない。もし、お金の管理の仕方と聞いて、パッと思いつくようなら、すでに家計管理が上手くできているということなのかもしれません。本書を読んで気づくこととして、家計管理の中に『予算』という考え方を導入することがあります。FPとしていろんな家庭のお金の相談を受けている中で、家計の話をしていると、ぼんやりとでも、頭の中で支出を『予算化』できている家庭では、比較的貯金がよくできてるというのを感じます。月々の支出の大枠、何にどのくらい使っているのか、いくら以上だと使い過ぎなのか、それらがなんとなく頭の中に家計の基準として持っていることが多いです。『月にいくらまで使っていいのか』を判断できているかどうか。これが予算化ということなんだと思います。そしてこの予算を、ほぼ毎月守ることができている。これができれば、予定通り貯金はできるはず。当たり前といえば当たり前のことです。本書での家計の予算化は、より細かな話になります。『月にいくらまで使っていいのか』というようなおおざっぱな話ではなく、複数のカテゴリーに分けて予算化する方法を説明しています。そして、ここからがより重要な話にになってくるのですが、その予算化を実行するための、『家計管理の仕方』についても詳しく説明しています。例えば、銀行口座はどうやって使うのか、複数の口座の使い分けの仕方。現金支払いを予算通りに実行するための管理法。クレジットカード決済はどう扱うのか。先に言った家計の『管理の仕方』とは、そういった方法のことです。頭の中で、「いくらまで使っていいのか」のかという予算化をするところまでは、すぐ思いつくのかもしれない。でも、実際にその予算内で生活ができているかどうかは、あまりわかっていないことも多い。そこを変えるのが、「家計をシステム化する。」という工夫です。本書では、家計の予算化の考え方から、お金管理のシステム化までを具体的に説明しています。もし本書の内容を、そのまま実行することができなかったとしても、きっと家計管理の仕方について、何らかのヒントをつかめることと思います。

どんどん広がるポイント投資。ポンタポイントを使った株式投資がCONNECTで始まる。

CONNECTでポンタポイントを使った投資が始まる。大和証券のスマホ証券口座、CONNECT。もともと疑似株式投資体験アプリ、『StockPoint for CONNECT』と連携し、ポンタポイントを使った株式投資ができるようにはなっていた。ポンタポイントをStockPoint for CONNECTに移し、そのポイントを使って実際にある株式銘柄に投資して、ポイントが増えたり減ったりする運用をすることが出来た。しかし、今回はStockPoint for CONNECTを通さずに、直接ポンタポイントを使って、CONNECTで株式投資ができるようになりました。ちなみに、CONNECTでは、今回のポインタポイントを使った投資と同様の仕組みでdポイントを使った投資ができるようになっています。今回のポンタポイント投資と『StockPoint for CONNECT』との違い。『StockPoint for CONNECT』では、1ポイントから株式銘柄に投資をすることが出来ました。ただし、この投資は、あくまでも疑似体験なので、実際に株主になって株主総会に出たり、株主優待を受け取ったり、配当金をもらったりという事はできませんでした。それでも、1ポイントから株式に投資ができるというのがメリットで。通常株式投資をしようとすると、100株単位で売買することになるので、数万円から数十万円以上の資金がないと株式投資ができません。ただ最近では、1株から株式投資ができるような証券会社も増えてきました。ちなみに、CONNECTは、その1株から株式投資ができる証券会社の一つです。1株から株式投資ができるといっても、やはり数百円ぐらいは必要になるので、なかなか貯まりにくいポイントだと株式投資に使うにはちょっと不便という事があるものです。その不便なところを解消して、疑似的な株式投資ができるのが、『StockPoint for CONNECT』でした。しかし、今回のCONNECTでのポンタポイント投資は、『StockPoint for CONNECT』とは違って、株式の購入資金に充当するというタイプのポイント投資です。例えば、500円の株式を買う時に、ポイントが100ポイント貯まっていたという場合。400円の現金と100円分のポイントで計500円で1株買うという感じになっています。つまりは、ポイント主体の『StockPoint for CONNECT』と、現金で買うことが主体のCONNECTのポンタポイント投資という感じでしょうか。ポインタポイントで直接株式が買えることになるのであれば、『StockPoint for CONNECT』は必要なくなるのかとも思いましたが、どうやら両者には使い分けするところがあるようです。

『素粒子の探究で宇宙がみえてくる: 波場センセイのとっておき50話 単行本(波場 直之)』

素粒子って、難しそうなんだけどなぜか面白そう。素粒子という言葉を聞くと、「なんだか難しそうな話だな」というのが、普通の感覚なのだと思う。そして、実際難しい。この小難しい話を、本書ではわかりやすく説明しようとしているのだろうけれど、私の頭では、「?」となってしまうところが少なくなかった。でも、なぜか『面白い』。この世界がどうなっているのか、どうやってできているのか、そんなこと知らなくたって、日々の生活には全く影響はないのかもしれない。でも、読むたびにふつふつとわいてくる『好奇心』。ちゃんと理解できていなくても、「不思議だな」、「へぇ~」と思うだけで、なんだかこの世界のことが面白く思えてくる。本書の中でも言ってたけど、フィクションの物語なんかに頼らなくても、現実だけでも十分に不思議だし、面白いものなのかもしれない。まさに「事実は小説より奇なり」。物理学アレルギーなんて考えず、フィクションの話を読むつもりで、世の中の「不思議なもの」に触れてみるのもいいのではないでしょうか?学校で教わる話はつまらない。学校で教わる話のほとんどが、正確には正しくないことの方が多い。本書を読むと、よりそれを実感する。昔、最小の粒子は『原子』だと教わった。「スイ・ヘー・リー・ベー・・・・」と覚えされられたことを思い出します。でもそれは間違っていた。実際、学校でも陽子や電子の話が出ていた、だけどその時点で『原子』よりも小さいものが見つかっているのに変な話だと思っていた。そして、今はそれらを『素粒子』といっていろんなものが見つかっている。さらに言うなら、その『素粒子』によって、さまざまな原子の性質を生み出しているのだそうです。さらに、ニュートン力学ももうずいぶん古い理論だということも既に当たり前になっているのに、学校では、世界はニュートン力学でまるですべての現象が説明できるかのように授業を受けていたように感じている。アインシュタインの相対性理論のことなんて、なにも触れていなかったように思う。このアインシュタインの相対性理論、私の平凡な頭では、まるでフィクションのような話に聞こえる。でも、それが今この世界を形を説明するのに、一番合っている理論なのだそうです。そして、この相対性理論と量子力学、これによって、ニュートン力学を正しく上書きすることもできるのだそうです。相対性理論や量子力学、どっちも直感的に理解するには難儀しそうな話で、まさに「不思議な世界」です。でも、その「不思議な世界」が、現実だというのですから、これまた何とも不思議な話です。この本を読むのなら、別に話のすべてを理解できなくたっていいのかもしれない。ただ、世の中の『不思議な現実』に触れることで、知的な好奇心に触れればいい。多分、それだけで十分なのだろうなと思いました。

国内に上場しているETF(上場投資信託)が面白くなってきた⁉

ETFの種類が豊富になってきた。最近、国内に上場しているETFが面白くなってきました。以前のETFのイメージだと、低コストの『インデックスファンド』というイメージが強く、はっきり言ってしまえば面白みに欠けていました。しかし、ここ最近は、面白いETFがいろいろと上場してくるようになってきました。国内のETFには、何らかの指標(インデックス)に連動していることが求められているため、米国のETFのようにアクティブファンドで上場するという事が出来ません。しかし、一概に指標と言っても様々なものがあるものです。その様々な指標を基にしたETFがどんどん国内の証券取引所に上場するようになってきました。そして、このことが国内のETFを面白くしてくれています。最近出てきた新規上場のETF。2022年9月の時点で、最近上場してきたETFに、『NF・米国バランス保守型ヘッジ有ETF』があります。今までのETFのイメージといえば、株式指数のインデックスや債券に連動するインデックスというように、特定のカテゴリーに絞られた投資先を選ぶというイメージが強かった。しかし今回上場してきたのは、株式と債券でポートフォリオを作るバランス型のETFです。つまりは、株式などの投資先というよりも、バランス型の運用戦略を用いた『投資戦略』を、ETFを利用して低コストで運用することもできるようになったというわけです。他にも、米国ETFとして人気があった、カバードコール戦略を採用した『グローバルXNASDAQ100・カバード・コール ETF』が9/30に上場します。このように今まで、投資先を選択するインデックス型投資信託というイメージのETFが、『運用戦略』に投資をするETFとしての選択が増えてきました。銀行の窓口で買うような、一般的に良く知られている投資信託でなくても、ETFを取引すれば、十分にそれに近い運用ができるような環境になってくるのかもしれないという期待感もでてきていて、今「ETFが面白い」と感じています。運用戦略に投資をする。スマートベータという投資戦略。最近思うのは、平凡なインデックスよりも、システマティックにアクティブな運用する方が良いのではないかということです。多くのインデックスが採用している、『時価総額加重平均』という戦略は、証券の売買コストなどを軽減し運用コストを小さくするのには向いています。けれど、運用戦略としては、それほど効果的な方法ではないのではないかと思うようになってきました。一つの銘柄の時価総額が大きいというのは、それだけその銘柄が割高になっている可能性が高く、また時価総額が小さくなりがちな割安な銘柄は、小さいという理由だけで時価総額加重平均型のインデックスの中では、割安銘柄がおざなりになっている可能性があると思っていました。同様に、時価総額加重平均型のインデックスでは、小型株にも重きが置かれていない。しかし、ユージン・ファーマとケネス・フレンチの有名なファーマ=フレンチの研究によれば、株式市場にあるアノマリーの中に、バリュー効果と小型株効果が見られるといっています。つまりは、時価総額加重平均型のインデックスよりも、バリュー効果や小型株などのファクターに注目した運用戦略の方が効果的な可能性もあるのではないかと思うわけです。つまりは、スマートベータという運用戦略を、いかに低コストで運用するか。そこにETFでスマートベータ戦略を使えるという事の意味が大きいのではないかと思うのです。一般的なインデックスである時価総額加重平均型のインデックスから、少しアクティブな要素を取り入れたシステマティックな投資戦略。そんな投資戦略に投資をするという感覚で使えるETFが増えることは、きっとポートフォリオの多様化に役立つような、そんな気がしています。国内のETFの世界もどんどん広がり、面白くなってきました。海外のETFも良いけれど、税効果を考えれば、国内のETFで取引できたほうがいいはず。国内の証券取引所でも、海外に負けないような、もっといろんな価値あるETFが登場してきてくれることを願っています。

貸付型クラウドファンファンディングの『Funds』、楽天証券で投資が可能に⁉

『Funds』は、安全性が期待できるクラウドファンディング。『Funds』は、数ある貸付型クラウドファンディングの中でも、高い安定性が期待できるサイトです。貸付型クラウドファンディングといえば、みんなのクレジットやラッキーバンク、グリーンインフラレンディング、マネオと、多くのサイトで不正が見つかり、今でもその後遺症に悩まされている人がたくさんいる金融サービスです。ですが、今回紹介する『Funds』は、そんな不正の起こりやすいクラウドファンディングの問題点を見直し、高い安定性をもった運用ができるようにと考えられた点が人気のクラウドファンディングです。一応クラウドファンディングという分類ではあるけれど、実際には社債に投資する債券投資に近い感覚で運用できます。しかも『Funds』で取り扱っているものは、上場企業などを中心とした、財務基盤にある程度信頼のおけるものであることが多いです。今回『Funds』の商品(ファンド)を、楽天証券から投資ができるようになるというニュースがでましたが、この時募集される予定の商品は、クラウド会計ソフトや家計簿アプリで有名な、上場企業のマネーフォワード社のファンドだそうです。安全性が高い代わりに利回りが低い。『Funds』で取り扱っているファンドは、投資先が「上場企業または監査法人などの監査を受けた企業」に限定されているなど、他の貸付型クラウドファンディングよりも安全性と透明性が高くなっていますが、その分他のクラウドファンディングよりも利回りは低めになっています。ただ、安全性が高い分、利回りが低くなるのは、ある意味致し方ない事だとは思います。そのため、証券会社などに口座があれば、あえて『Funds』の口座を開設するほどの魅力はあまりなかったようにも感じています。しかし、今回楽天証券と提携したことで、楽天証券の商品の一部として投資ができるようになるとなったら、また違ってくるのかもしれません。あえて別口で口座を持たなくても、一つの口座で完結できるのであれば、『Funds』のファンドにも投資してみようと思うかもしれません。なにせ、上場企業の社債という安定感と、預金や国債などよりも高い利回りが期待できるというのは、私たちには今まであまり開かれていなかった市場だからです。安定感と利回りのバランスでいえば、『Funds』の商品は、魅力的なファンドなのではないでしょうか?

『期待リターン(アンティ・イルマネン)』

投資では、何が利益をもたらしているのか?「株式投資は長期的に高いリターンをもたらしてくれる。」という人がいる。でも、ずっと疑問に思ってきた、「高いリターンをもたらす投資であっても、割高な状態で買ってしまっては意味がないのではないか?」と。そんな疑問に対して、ひとつの答えを与えてくれる本。期待リターンが予測できるのであれば、期待リターンが高い時に投資した方がいいのは明らかです。そして、期待リターンが低くなっている時(資産価格が割高になっている時)に投資をすると、資産価格が暴落するリスクが高まっているということを考えておかなければいけない。言われてみれば当たり前の話で、誰にでも簡単にわかることなのですが、実践することはなかなか難しい。そもそも、『期待リターン』を計測すること自体、とても簡単なことではありません。投資で得られるリターンはどこから来ているのか?どんなリスクをとれば、どのくらいのリターンが得られるのか?投資におけるリターンの疑問に、ひとつひとつ回答してくれています。ただ、本自体が分厚く、なかなか難しい内容になっている。数式やファイナンス理論など複雑な話には、なるべく触れないように工夫されている感はあるけれど、読んで理解するのにはハードルが高い印象を持ちました。辞書や教科書のように、手元に置いておいて、気になった時に気になった項目を読むという感じで利用するのがいいのかもしれません。ほとんどの人が、序論の1章から2章を読めば(全体で14章まであります)、だいたいこと足りるのかもしれません。リスクをとればリターンが得られるわけではない?「リスクの高い投資先は、高いリターンをもたらす。」、「投資では、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンの関係性が成り立っている。」と言われていることがある。でも本当にそうなのだろうか?、そもそもリターンをもたらすことは、リスクがあるからのものなのだろうか?本書を読むとわかるが、実はリターンというのは、リスクと表裏一体のものではないようです。投資の中には、とっても意味のないリスクもあるようです。以前から知っていたものでは、『為替リスク』は、リターンとは関係ないので、為替リスクをとったからと言ってリターンが向上することはないという話がありました。ですが、あらゆるリスクがリターンと相互に関係性があると考えている人の中には、為替リスクをとればリターンが向上すると説明をしているのを見かけることがあります。似たような、リターンには関係のない無意味なリスクについても、本書を読むといろいろと気づかされます。たとえば価格変動の大きな株式も同じような傾向がみられるといっています。実際ヒストリカルなデータを調べると、価格変動つまりはボラティリティが高い銘柄群よりも、ボラティリティが低い銘柄のほうがパフォーマンスがよかったという結果が得られているそうです。また、通貨間の値動きでは、「金利の高い通貨と金利の低い通貨の関係性を考えると、金利差の分を、金利の高い通貨が値下がりすることで、通貨間の価値をある程度一定に保つようになっている。」と考えられていましたが、実際には、単純に金利の高い通貨を取引するキャリー戦略が、50年にわたって効果的だったという事例も紹介していました。投資によってもたらされるリターンとは、そもそも何なのか?それが、『ファクター』と呼ばれているものになる。投資をするならリターンの源泉である『ファクター』に注目するといい。この本を読んでもっとも勉強になる点はそこなのかもしれません。『ファクター』を組み合わせてポートフォリオを組むという投資戦略にも少し触れていましたが、とても興味を掻き立てられる内容でした。そしてもう一つ、個人的にも投資する際には昔からバリュー投資に代表される『バリュエーション』を気にしてきましたが、本書の中でも度々登場することになる、その『バリュエーション』という指標の価値について改めて考えさせられました。

『なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか? 単行本(中谷 昌文)』

大富豪の資産運用?「プライベートバンク」、どこかで聞いたことがあるような言葉。大富豪と呼ばれているような人たちが、「プライベートバンク」を使って資産運用や資産管理を行っているという。「オフショア」や「タックスヘイブン」、「信託」、なんかすごそうな言葉がたくさん出てくる。この本は、「大富豪の資産管理や資産運用ってどうなっているの?」ということについて書かれたものです。本書の目的としては、お金持ちになりたい、資産運用が上手くなりたいといったものとは違う内容です。そもそも、お金持ちが行う資産運用と、これからお金持ちを目指す人の資産運用は、違ったものになることが多いものです。リスクをとってでもリターンを求めるのが、これからお金持ちを目指す人の運用なのに対し、すでに出来上がった資産を守りながら賢く活用したいというのが、お金持ちの運用。この本の話は、どちらかといえば後者の話なのでしょう。現に、資産運用のノウハウとしては、大した内容は書かれていません。節税、海外資産、お金持ちたちは、国から資産を遠ざけていると本書では説明しています。ですが、その説明とは裏腹に、話の具体性はほとんどない印象でした。「信頼のおける専門家」という人をあてがって、具体的な話は避けているのか、この本を読んでも、実践することは、ほぼ不可能なのではないかと思いました。まず、金融という業界において「信頼のおける専門家」に出合えるということ自体、とてもハードルを高い。金融という業界で、私たちに近づいてくるのは、「専門家に見える、手数料狙いの者」であることが多く、本物の専門家と出会うためには、まずその「専門家に見える、手数料狙いの者」の群れから攻略していくことが必要になってしまう。結果的に、「本物の専門家」に出合えるのは、かなり低確率になってしまっているのではないかと思っています。本書の内容は、「そういうこともあるんだ」程度の話をしるというレベルのもので、それ以上のものではないというのが、本書を読んだ感想です。プライベートバンクというものを知る入口の本?本書を読んで、この本の立ち位置として感じたのは。普段私たちになじみのない、プライベートバンクというサービスについて知るということでした。プライベートバンクという言葉は聞いたことがあるけれど、その人たちが何を行っているのかについては、あまりよくわかっていなかった。でも、その役割について、なんとなくイメージを抱かせる。プライベートバンクを知る入口という役割になっているのだろうと感じました。実際、プライベートバンクについて書かれた本のいくつかが本書の中でも紹介されています。「より詳しくプライベートバンクについて知りたければ、その本も読んでみたらどうでしょうか?」というようになっているのかなと。あまりなじみのないプライベートバンク。実際に利用することはないかもしれないけれど、その存在について興味のある人に対して書いた本なのかなと思いました。